スーパーから物が消えたら? 便利な社会が育む「漠然とした不安」を解消する、森の知恵
台風が近づいているというニュースを見てスーパーに行くと、棚からパンや水が消えている。
災害で停電が起き、スイッチを押しても明かりがつかない。
そんな光景を目にした時、あるいは想像した時、私たちは胸の奥がざわざわとするような「漠然とした不安」を感じます。
「もし、このまま電気が復旧しなかったら?」
「もし、物流が止まって食べ物が手に入らなくなったら?」
私たちは、人類史上かつてないほど便利で快適な社会に生きています。蛇口をひねれば安全な水が出て、スイッチ一つで部屋は暖まり、スマホがあれば世界中の情報にアクセスできます。
それなのに、なぜ私たちは常に、どこか不安なのでしょうか?
先日読んだ書籍『森は教えてくれる、 生きる力の育て方』(すえなみかつひろ著)に、その不安の正体と、それを解消するためのヒントが書かれていました。
便利さが奪った「自分の力」

著者は、現代人が抱える不安の原因をこう指摘しています。
“あまりにも便利で、快適な社会。その中で、私たち は生きるために必要なものを「自分の力で手に入れる」という感覚を、少しずつ失ってしまっ たのかもしれません。”
(『森は教えてくれる、 生きる力の育て方』はじめに より引用)
私たちは、生きるために不可欠な「水」「食」「暖(エネルギー)」の確保を、すべてお金を払って外部のシステムに委託しています。それは効率的である反面、ひとたびシステムがダウンすれば、自分では何もできないという無力感に直結します。
「漠然とした不安」の正体。
それは、「自分は自分の力で生き延びることができるのだろうか」という、自分自身への自信のなさだったのです。
生きる力とは、「命の五要素」を手に入れる力
では、どうすればこの不安を解消できるのでしょうか。
もっとたくさんの水や食料を備蓄すればいいのでしょうか?
もちろん備えは大切ですが、備蓄には限りがあります。尽きてしまえば、また不安が襲ってきます。
本当の安心は、「モノ」ではなく「知恵と技術」の中にあります。
この本では、「生きる力」を非常にシンプルに定義しています。
「生きる力とは、『命の五要素』を手に入れる力である」
命の五要素とは、以下の5つです。
- (空気)
- シェルター(体温):寒さから身を守る場所
- 水:安全な飲み水
- 火:暖をとり、水を煮沸し、調理する熱源
- 食:エネルギー源
もし、あなたが以下のことを知っていたらどうでしょう?
- ペットボトルと砂利を使って、川の泥水をろ過する方法を知っている。
- ライターがなくても、メタルマッチや火打ち石で火をおこせる。
- ブルーシート一枚あれば、雨風をしのぐテント(シェルター)が作れる。
「もしライフラインが止まっても、最悪、近くの川の水なら飲めるようにできる」
「庭で火をおこして暖がとれる」
そう思えた瞬間、心の底にあった「漠然とした不安」は、「なんとかなる」という「確かな自信」に変わります。
「足るを知る」という強さ

著者の末次氏は、学生時代に自転車で日本一周をした際、公園で野宿をしながらこう実感したそうです。
“人間は水とトイレさえあれば生きていけるんだな”
これは決して「貧しい生活でも我慢しろ」という意味ではありません。最低限何があれば生きていけるのか、そのライン(底)を知っている人は強い、ということです。
便利な生活を楽しみながらも、いざとなれば森の知恵(ブッシュクラフト)を使って、自分の手で命を支えることができる。この「二刀流」のスタンスこそが、不確実な現代社会を生き抜くための最強のメンタルヘルスなのかもしれません。
まとめ:不安を自信に変えるために
スーパーから物が消えても、慌てない自分になる。
そのために必要なのは、買い占めに走ることではなく、「自分の手で作り出す」経験を一つでも増やすことです。
- 次の休日は、川原で飯盒炊飯(はんごうすいはん)をしてみる。
- ベランダで、カセットコンロを使ってお湯を沸かしてみる。
- 一度、電気を消してキャンドルの明かりだけで夜を過ごしてみる。
そんな小さな「プチ・サバイバル」体験が、あなたの眠っている「生きる力」を呼び覚まし、漠然とした不安を吹き飛ばしてくれるはずです。
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